助成金と勤怠管理システム
助成金とは、従業員のためになることを、実施しづらいにも関わらず実施いただいた事業主様を、文字通り助成する雇用保険の制度です。
よく活用されている助成金に「キャリアアップ助成金」の正社員化コースがあります。受給額も多いので、事業主様にとってはメリットの大きい助成金の一つです。
キャリアアップ助成金「正社員化コース」の要件
同助成金にもいくつか種類がありますが、最もポピュラーな「正社員化コース」の主な要件を簡単に紹介します。従業員が雇用保険に加入していることが前提です。実際にはとても多くの要件があり、複雑に絡み合っていますので、詳細はお尋ねください。
①有期雇用等として6か月以上雇用した従業員を、正社員にすること
②正社員に転換後、6か月以上継続して雇用すること
③正社員転換前6か月間よりも、正社員転換後6か月間のほうが、平均して賃金が3%以上アップしていること
④正社員になったら、賞与あるいは退職金が支給されること
キャリアアップ助成金の申請に必要な書類
申請書の他にも、雇用契約書などたくさんの書類を提出します。
賃金アップが要件ですので、勤怠記録に基づいた賃金がきちんと支払われているか、賃金の支払いが要件に適合しているかが審査されます。
対象となる従業員の勤怠簿と賃金台帳(※)を労働局に提出します。
※賃金台帳とは、従業員別の各月毎に支給された給与や保険料、税金の額の一覧表です。
助成金の受給審査は厳しくなっています!
助成金は法令をしっかり遵守している事業所に支給されます。
この1~2年で、特にキャリアアップ助成金の審査がかなり厳格化しています。
勤怠や給与について申しますと、数年前までは賃金未払いを指摘されても、遡って支給すれば審査は通りました。
しかし、現在ではそのような処理は認められなくなっており、賃金未払いがあれば不支給の決定をされてしまうと言われております。
もっとも、助成金は複数の要素を総合的に審査されており、また地域によっても差があると言われておりますから、一概に断定することはできません。しかし、賃金未払いは受給の可否決定に大きなマイナスになることは疑いありません。
助成金には勤怠管理システムを
紙のタイムカードやエクセルでの勤怠管理では、勤怠集計や給与計算の間違いが起きるリスクが高いことはこれまで何度かお伝えしてきました。打刻ミスの確認が面倒であること、集計時に転記ミスが発生しやすいこと、計算式の間違いが起きやすいことなどが原因です。
勤怠集計の間違いは賃金未払いに直結します。例えば、法定外残業時間に該当する労働時間が正しく集計されていないと、支払われるべき残業代が支払われないことになります。
つまり、紙のタイムカードやエクセルで勤怠管理を行っていると、助成金が不支給になってしまう可能性が高くなると言えます。
もちろん、勤怠管理をしっかりと行うことは助成金のためではありません。しかし、助成金を検討することは、勤怠管理を効率的に間違いなく行う改善のきっかけになるでしょう。
助成金の活用を検討される事業主様には、勤怠管理システムの導入をお勧めいたします!
助成金のご相談も承っております
LEO社会保険労務士オフィスでは、助成金のご相談も承っております。特にキャリアアップ助成金は長期間にわたる労務管理が必要になります。事業主様ご自身で申請を行うことはかなり難易度が高いです。下記のお問い合わせフォームからご相談ください。
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